半導体の地政学・・何故今更垂直へ・・

こんにちは。

桑原通夫通夫です。

 

半導体地政学とは・・

 

半導体を製造する地域と

その国の政治がどう影響するか・・

を考える学問です。

 

半導体は元々は設計から製造まで

1つの国で垂直統合で造られて

いました。

 

それをなぜ分業にしたのか・・

ということですが

それは効率の為です。

 

アダムスミスは経済の発展には

分業→特化→取引 という流れが

重要である‥と考えました。

 

18世紀中ごろからイギリスで

起きた産業革命がきっかけとなり

 

それまでの垂直統合から、

水平分業へと

変化していったのです。

 

分業制にすることで・・

それぞれの専門家が育ちます。

 

作業効率も良くなり、良質のものが

大量に生産されるようになります。

 

物流や貿易も盛んになり、世界中に

市場が広がることで、豊かになります。

 

イギリスの経済学者のリカードは・・

自由貿易を擁護することで

経済厚生は高まる・・と唱えました。

 

各国が比較優位に立つ生産物を

重点的に輸出することで

経済厚生・・つまり経済と福祉の

関係が連動する・・と言ったのです。

 

お互いに比較優位に集中して

輸出するようにすると

 

両国にとって豊かさが拡大する→

自由貿易が進むことで

世界が豊かになる・・という

考え方です。

 

自国の中で得意なものに特化した方が、

資源も集中でき、

良い製品がつくられるようになる・・

 

世界中で分業が進むと貿易が起こり

結果として全世界が豊かになる。

 

このリカードの理論を

半導体にも応用した結果・・

水平分業となったのです。

 

結果・・設計はアメリカで96%

 

製造(前工程)→台湾(71%)

製造(後工程)・・台湾・中国

 

という構図が出来上がったのです。

 

特に半導体分野は、すべてを自国でやる・・

となると、莫大な投資が必要となります。

 

これを垂直統合でやるには

限られた国でしか出来ません。

 

設備投資も分散する事になり、

良いものがつくられなくなる・・

 

すると効率が悪くなり

全体が豊かになるようなことは

起きない・・・

 

そこで、それぞれの国で

作るものを分散することにより

特化して設備投資が出来る・・

 

結果として、高性能のものが

出来るので

世界全体が恩恵を受けることになる。

 

これが水平分業の利点であったわけです。

繰り返しますが・・

 

結果・・設計はアメリ

製造(前工程)→台湾(71%)

製造(後工程)・・台湾・中国

という構図が出来上がったのです。

 

ところが、近年の中国と台湾の

有事も考慮すると・・

 

万が一の場合に備え、半導体不足を

回避するためには、

 

自国で設計から完成まで行う

垂直統合に・・という

動きが戻り始めているのです。

 

生産能力は・・結局は

ボトルネックで決まるわけです。

 

最先端の半導体についても

設計はアメリカでやっていても

 

製造は台湾にあるTSMCという

企業です。

 

という事だと、最先端の2ナノ半導体

今のところ台湾でしか作っていない・・

 

そうなると、半導体ボトルネック

台湾・・と言う事になるわけです。

 

台湾のTSMCで作っている半導体

最先端技術の2ナノです。

 

そこでアメリカの判断により

TSMCアメリカのアリゾナにも

子会社として造ることにしたのです。

 

そして・・日本の熊本にも第一工場を

作ることになった・・

 

世界に大きく後れを取っている

日本の半導体技術を高めるために・・

 

ソニーデンソーも出資して

28ナノ半導体製造を目指す・・

 

そして、その後、第二工場では5-10ナノも

作れるようにしたい・・という計画も

あるそうです。

 

台湾では最先端の2ナノまで作れるのに・・

まだ40ナノという汎用品しか作れない

日本の技術が・・熊本工場で、

40ナノ→28ナノ→5ナノとなれば

日本もだいぶ世界に近づきます・・

 

やがて最先端の2ナノも作れるようになれば

台湾有事も、心配いらなくなります。

 

日本もいずれは2ナノ半導体を作れるように

という事で・・

Rapidus(ラピダス)という工場が

建設されます。

 

日本の主要な企業8社が出資し

先端半導体国産化を目指す工場が

 

いよいよ、北海道に建設されることに

なりました。

 

トヨタ自動車・NTT・ソニーグループ

等が出資して、2027年をめどに

2ナノ半導体の量産を目指す・・

という事です。

 

このように、アメリカや日本で、

垂直統合の動きが出てきたのは

中国による‥台湾有事を想定しての事です。

 

地域と政治の研究・・地政学について、

半導体という分野から

まとめてみました。

 

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