ENEOSの間違い・・売り上げと利益率は別物・・

こんにちは。

桑原通夫です。

 

ENEOこのこの17年間で

売上を3倍近くに伸ばしました・・

6兆円→15兆円まで伸ばした。

 

15兆円の企業って、素晴らしい

事だと思いますが、

 

しかし、利益率は大きく

下げてしまったのです。

 

5%→1.9% まで下げた。

 

売上は17年間で、6兆円から

15兆円まで伸ばしました。

 

ところが利益は

17年前と同額の3000億です・・

 

2006年に3000億の利益・・

そして2023年も3000億です。

17年間で・・

5%の利益率が・・1.9%になった。

 

なぜ?そんなことになったのか・・

 

ENEOSの課題は売上高ではなく

本業でのシェアを広げる事です。

 

経営は売上だけではありません。

利益率を高める事です。

 

利益率の低下の原因は

無駄なことを多くやり過ぎた結果です。

 

本業に翳りが出ると慌てて多角化しよう・・

とする経営者が多いのですが

大抵失敗します。

 

ENEOSも、ズバリ・・多角化の失敗です。

これからはガソリン車が減る・・

若者の車離れも加速する・・

 

当然、ガソリン需要が少なくなるだろう・・

という事に囚われてしまって

戦略を間違えてしまったことです。

 

ガソリン需要が少なくなる・・という事は

事実ですが、ガソリン車が無くなるわけでは

ありません。

 

それに怯えたENEOS

再生エネルギーやバイオ・水素合成燃料・

地中化技術の開発・・という事で

 

石油・ガス・電気・水素にまで手を広げ

無秩序な多角化に走ったのです。

 

結果・・どれもシェアが取れずに

利益率も大幅に下げてしまったのです。

 

ENEOSが、ガソリン給油販売で

シェア50%を確保して1位になったら・・

 

ガソリン販売で業界1位を保てたら・・

ガソリン車がある限り、

利益率を高めることができたはずです。

 

慌てて多角化に走るよりも

得意分野でシェア1位を目指せば

必ず利益は確保できるのです。

 

他企業がどんどん少なくなれば

寡占・独占も可能なのです。

 

そうなったら、自由に値決めも

行えます。

 

安易に多角化することで

社員数を増やしたり、経費を増大するから

利益率が17年かけて

半分以下まで下げてしまったのです。

 

ENEOSの今期第1四半期の決算は

昨年対比で71.1%の減益・・という

発表でした。

 

これをENEOS経営陣は、株主に対して

原資価格の高騰によるもの・・

として、原因は外部環境にある・・

という姿勢でした。

 

本当に・・外部環境のせい?

資源価格の変動のせい?

なのでしょうか・・

 

原油価格の変動が大きかったのは

事実ですが、

同じ様に資源を売っている

伊藤忠三菱商事など・・

所謂、5大商社では

全て利益が向上しています。

 

ENEOSだけが、

原油価格の上昇のせいで

利益が少ない・・と

言っているのです。

 

例え原油価格が上昇したとしても

その中でどうすれば利益が

得られるか・・

安定した利益成長を得るには

どうすればいいか・・

 

経営陣が知恵を出し‥努力をする

以外ないのです。

 

それを原油価格の上昇‥という事で

済まそうとするENEOSは・・

先が暗いと言わざるを得ません。

 

もちろん・・先々の事を考えて

今のうちに次のビジネスを育てて置こう・・

と考えることは間違いではありませんが

 

戦略とは・・事業拡大ではなく

逆に強みに特化する事です。

 

本業に陰りが見え始めると

多業種への進出を考えることは

誰もが陥りやすい誘惑です・・

 

しかしその前に・・

利益率と業務拡大は別物である・・

という事を知らなければなりません。

 

業務を広げれば、必然売り上げも上がります。

しかし、経費も増大するのです。

慣れない事業であれば、余計経費は嵩みます。

 

売上を伸ばしてもそれ以上に経費が増えれば

利益率が低下することは明らかです。

 

利益率が最も多いのは・・寡占化や独占化

企業なのです。

 

つまり利益率とはシェア率に比例するのです。

例え全体に少ない需要でも・・

シェア1位であれば

その企業は潰れないのです。

 

ENEOS多角化することで

逆にシェア率で全て負けてしまっているのです。

 

力を分散すれば‥どの分野でも

中途半端な戦略にしかならないのです。

 

ガソリンの需要は極端には無くなりません・・

ガソリン車が作られなくなっても

車の寿命は・・20年もあるのです。

 

中古車だって走り続けている限り

ガソリンは売れるのです。

 

まずは専門分野でシェアを独占する事です。

そこに特化して利益率を上げる事です・・

そうすれば‥株価も上がります・・

株価が上がれば、人気も出ますし

資金も集まりやすくなるのです。

 

それから、次の挑戦をしても遅くありません。

仮に10年間でも独占企業として

活動出来れば・・・取れ程の利益を得られるか・・

 

慣れない事業にお金を投資するよりも

その方が絶対にいいと思いますよ。

 

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